この記事を読んで下さっているみなさま、こんにちは!エコスタッフ・ジャパン株式会社(ESJ)の小松崎です。
このコラムでは、主に「産業廃棄物に関する基礎知識」や「環境に関する時事ニュース」について取り上げて解説しております。
第9回となる今回のコラムでは「蛍光灯の捨て方」について簡単に解説していきます。
蛍光灯は商業施設や一般家庭の台所などに幅広く使用されている、ごく一般的な照明器具です。
皆様の中にも、職場や学校で脚立の上に立って蛍光灯の交換をした経験がある方は多いのではないでしょうか。
そんな蛍光灯ですが、実は今後その製造や輸出入は廃止されることが決まっています。
じゃあ今ある蛍光灯はどうすればいいの?という方はぜひとも今回のコラムを読んで頂けたらと思います。

そもそも蛍光灯とは何か。簡単に言うと原理上水銀を必要不可欠とする照明器具のことです。
家庭や事業所等で使われている蛍光灯には、発光の為に金属水銀と呼ばれるものが封入されています。
金属水銀は生体への作用は殆ど無く、また誤飲しても消化管からはほとんど吸収されず
そのまま排泄されることが多い為、あまり重篤な影響は生じないと考えられていますが、
環境汚染の観点から、蛍光灯を捨てる際にはガイドラインに沿った対応が必要となります。
そんな中、2023年10月にスイス・ジュネーブにおいて開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議(COP5)」に於いて、
水銀添加製品である一般照明用の蛍光ランプ(住宅、事務所、工場、店舗、作業現場、街路灯等で一般的に使用されている
蛍光ランプ)を、その種類に応じて2025年末から2027年末までに製造及び輸出入を段階的に廃止することが決定されました。
これにより、蛍光灯を処分したいという需要は増えており、今後も更に増えることが予想されます。

2010年頃からは徐々にLED照明が普及し始めました。
LEDとは「Light:光る、Emitting:出す、Diode:ダイオード」の頭文字を略したもので、発光ダイオードとも呼ばれています。
LEDは電流を流すと発光する半導体の一種です。蛍光灯のように水銀を必要とせず、白熱灯器具や蛍光灯器具に比べて
少ない消費電力で点灯する上に長寿命である為、私達の身の周りの照明は着々とLEDに置き換わっているのです。
2028年1月1日以降、蛍光灯は廃止されますので、今現在蛍光灯を使用している方は、LED照明への変更も検討して頂きたいと思います。

それでは蛍光灯の捨て方を細かく見ていきたいと思います。
まずは捨てる前にお手持ちの蛍光灯が対象となる製品かどうかを確認することが重要です。
水銀が使用されているかどうかは、品番の最初のアルファベットによって見分けることができます。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、家庭から排出される使用済みの蛍光灯は一般廃棄物、
事業所等から排出されるものは産業廃棄物に分類されます。 ※参考:(第1回「産業廃棄物と一般廃棄物について」)
一般廃棄物は各自治体が、産業廃棄物は排出事業者自らが処理することになっていますので、
一般廃棄物の場合は自治体のサイトなどで、何ごみとして出せばよいのかを確認しましょう。
産業廃棄物の場合は専門の処理業者へ適正な処理を依頼することをお勧めします。
家庭等から蛍光灯を捨てたい時は、主に以下のような方法があります。
①ステーション回収
資源ごみの回収日等に住民に既存のごみステーション等に排出してもらったものを、市町村等が回収する方法。
②拠点回収
市町村等が常設設置する回収拠点に住民が持ち込み、市町村等がそれを回収する方法。
③依頼拠点回収
行政区域内の家電量販店や薬局等に依頼し、市町村等が回収容器を設置し市町村等が回収する方法。
④移動拠点回収
市町村等が、あらかじめ広報した回収日・回収場所に拠点を設けて、持ち込まれたものを回収する方法。

上記のどのような処分方法であっても、蛍光灯が破損しないように、購入時のケースや保管用のケースに入れる、
新聞紙で包装するなどの処置が必要です。
既存のゴミステーションに排出する場合は、上記に加えてその他の廃棄物と混合しないように分別する工夫が必要になります。
中身が何であるか分かるようにケースや新聞紙に【キケン】【蛍光灯】などと明記し、必ず他のごみと袋を分けて捨てましょう。

さて、第9回目となる「蛍光灯の捨て方について」、ご理解頂けましたでしょうか。
蛍光灯内に含まれている水銀は、人体に対してはそれほど害がないとしても環境に対しては十分負荷となり得ますので、
その他の廃棄物と混合しないように分別し、絶対に割らずに処分するよう、注意して頂ければと思います。
次回の投稿も是非、読んでみてくださいね!!

参考)
・出典:環境省「水俣条約について」
(https://www.env.go.jp/chemi/tmms/index.html)
・出典: 日本照明工業会「全ての一般照明用蛍光ランプ(蛍光灯)について製造・輸出入の禁止が決定」
(https://www.jlma.or.jp/led-navi/contents/cont09_mercuryLamp.htm)
・出典:環境省「国内水銀対策の概要」
(https://www.env.go.jp/chemi/tmms/kokunaitaisaku.html)
・出典:Panasonic「LEDの基礎知識」
(https://www2.panasonic.biz/jp/lighting/led/basics/)